6月~7月の上映

『ヴィム・ヴェンダース監督特集』

『ヴィム・ヴェンダース監督特集』

◆ヴェンダース監督監修による最新マスターで”ROAD MOVIES”の半世紀を再発見する2ヶ月の旅

ヴィム・ヴェンダース監督最新作『アンゼルム “傷ついた世界”の芸術家』の7月公開を記念して、彼が一世を風靡した70~90年代の代表作を、2ヶ月にわたり特集上映します。

『PERFECT DAYS』の感動はどこから来たのか、ヴィム・ヴェンダースとは誰なのか。今はもうない「西ドイツ」という場所と、ドキュメンタリー作家としての顔に注目しながら、彼の代名詞であり、自身のプロダクション名でもある“ROAD MOVIES”の半世紀を辿ります。

CTD_vol.2

配給:東北新社

◆料金

【特別料金・1回券
一般:1,500円

大・専:1,000円
小中高:800円

※ 特集内リピート割引:半券提示で各200円引(同作品のリピートは500円引/特集上映期間中有効)


【特別観賞券・3回セット券

1セット:4,000円

※ ご観賞当日に購入できます
※ 特別観賞券で3回鑑賞後は、4回目より特別観賞券の半券提示で一律1,000円

 

◆上映作品紹介

🎬 WW-西ドイツから来た男 【原点】


1974『都会のアリス 2Kレストア版ALICE IN DEN STÄDTEN

1974年/西ドイツ/モノクロ/ヨーロピアン・ビスタ/112分 © Wim Wenders Stiftung 2014
出演:リュディガー・フォグラー、イェラ・ロットレンダー、リザ・クロイツァー  
撮影:ロビー・ミューラー|音楽:CAN

アメリカでの仕事がうまくいかずドイツに帰国しようとした青年フィリップは、空港で足止めをくらい、そこで同じくドイツへ帰国しようとしていた母娘と出会う。母親リザは、一方的に娘アリスを彼に託して姿を消してしまい、途方にくれた二人は、アリスの記憶を頼りに彼女の祖母を訪ねる旅へと出発する。道中の二人の何気ない仕草やユーモラスな会話も本作の魅力となっている。

 


1975『まわり道 4Kレストア版FALSCHE BEWEGUNG

1975年/西ドイツ/カラー/ヨーロピアン・ビスタ/103分 © Wim Wenders Stiftung 2015
出演:リュディガ-・フォグラ-、ハンナ・シグラ、ナスターシャ・キンスキー、ペーター・ケルン
撮影:ロビー・ミューラー|原作・脚本:ペーター・ハントケ

母親と二人で暮している作家志望の青年ヴィルヘルム。何も書くことができないでいた彼は、母親の勧めで作家としての才能を見出すため旅に出る。 道中、芸人ラエルテスと少女のミニョン、女優のテレーゼ、放浪詩人ベルンハルトたちと出会いゆきずりの旅をともにする。何ら共通点のない彼らが様々な事を語り合い旅を続けるなかで、意外な過去が明らかになり、思いもよらない事態へと展開していく……。

 


1976『さすらい 4Kレストア版IM LAUF DER ZEIT

1976年/西ドイツ/モノクロ/ヨーロピアン・ビスタ/175分 © Wim Wenders Stiftung 2014
出演:リュディガー・フォグラー、ハンス・ツィッシュラー、リザ・クロイツァー 
撮影:ロビー・ミューラーほか
※ 第29回カンヌ国際映画祭 国際映画批評家連盟賞受賞

大型ワゴンに乗り、フィルム運びや映写技師の仕事をしているブルーノは、ある朝、“カミカゼ”のように猛スピードの車で河に突っ込んだ男ローベルトと出会う。意気投合した二人は旅をともにし、男の友情と出会いの物語が紡がれる。ロード・ムービー三部作の完結編となる本作は、スタッフが実際に旅をしながら撮影する即興演出を採用し、ヴェンダースが国際的に注目を浴びるきっかけとなった。

 


1977『アメリカの友人 4Kレストア版DER AMERIKANISCHE FREUND

1977年/西ドイツ・フランス/カラー/ヨーロピアン・ビスタ/126分 © Wim Wenders Stiftung 2014
出演:デニス・ホッパー、ブルーノ・ガンツ、リザ・クロイツァー 、ジェラール・ブラン
撮影:ロビー・ミューラー|原作:パトリシア・ハイスミス

贋作をさばくアメリカ人画商のリプリーは、オークション会場で額縁職人ヨナタンと出会う。彼が病で余命いくばくもないことを知ったリプリーは殺人の仕事を紹介し、妻子のために金を残したいヨナタンは依頼を引き受ける。贋作画家を演じるニコラス・レイをはじめ、サミュエル・フラー、ジャン・ユスターシュ、ダニエル・シュミットなど、ヴェンダースが敬愛する映画監督陣が脇を固める。

 

🎬 ドキュメンタリスト-WW 【巨人を追いかけて】


1985『東京画 2Kレストア版 TOKYO-GA

1985年/西ドイツ・アメリカ/カラー/スタンダード/92分 © Wim Wenders Stiftung 2014
出演:笠智衆、厚田雄春、ヴェルナー・ヘルツォーク、クリス・マルケル

1983年4月、東京で開催されたドイツ映画祭のために来日したヴェンダースは、小津安二郎の描いた“東京”を探して街をさまよい歩く。撮影のエドワード・ラックマンと録音のヴェンダース二人だけの旅は、パチンコや竹の子族、食品サンプルなど当時の“日本的”なる風景を写し、『東京物語』主演の笠智衆、小津組の名カメラマン厚田雄春との対話を通して、小津の“東京”と、近代化した当時の東京を描き出す。

 


1989『都市とモードのビデオノート4Kレストア版AUFZEICHNUNGEN ZU KLEIDERN UND STÄDTEN

1989/西ドイツ・フランス/カラー/スタンダード/81分 © Wim Wenders Stiftung 2014
出演:山本耀司、ヴィム・ヴェンダース
企画:ジョルジュ・ポンピドゥー国立芸術文化センター 

パリ、ポンピドゥー・センターからの依頼により、“黒の衝撃”で世界を席巻したファッションデザイナー、山本耀司のパリ・コレクションの準備過程を追ったドキュメンタリー。旧型のフィルムカメラとビデオカメラが入れ子状に組み合わされた大胆な構成と、監督との対話によって、山本耀司の服作りからファッションに対する真摯な姿勢が紡ぎ出される。

 


1999『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ 2Kニューマスター版BUENA VISTA SOCIAL CLUB

1999年/ドイツ・アメリカ/カラー/ビスタ/105分 © Wim Wenders Stiftung 2014
出演:ライ・クーダー、イブライム・フェレール、ルベーン・ゴンザレス、オマーラ・ポルトゥオンド、エリアデス・オチョア

ライ・クーダーがキューバ音楽の巨人たちと創り上げたアルバム「ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ」は大ヒットを記録し、1997年グラミー賞を受賞した。ヴェンダースは、キューバを再訪するライ・クーダーの旅に同行し、クラブのメンバーとの交流を記録する。色彩が溢れ情緒豊かなハバナの街並みと、語られる面々の生い立ち。そして彼らは音楽の殿堂カーネギーホールでの公演に臨む……

 

🎬 ドキュメンタリスト-WW 【巨人を追いかけて】


1984『パリ、テキサス2Kレストア版PARIS, TEXAS

1984/西ドイツ・フランス/カラー/ヨーロピアン・ビスタ/148分 © Wim Wenders Stiftung 2014
出演:ハリー・ディーン・スタントン、ナスターシャ・キンスキー、ハンター・カーソン、ディーン・ストックウェル
音楽:ライ・クーダー
第37回カンヌ国際映画祭 パルム・ドール受賞

荒野をさまよっていた男がガソリンスタンドで気絶する。記憶を失った男の持ち物を手がかりに連絡を受けたウォルトだが、男は4年前に失踪した兄トラヴィスだった。彼はテキサス州パリの荒野に所有しているという土地に向かおうとしていた。少しずつ記憶を取り戻したトラヴィスは、息子とともに妻を捜す旅に出るが……。雄大な風景とライ・クーダーによるスライドギターの音色が哀愁を誘う。

 


1987『ベルリン・天使の詩 4Kレストア版DER HIMMEL ÜBER BERLIN

1987/西ドイツ・フランス/パートカラー/ヨーロピアン・ビスタ/128分 © Wim Wenders Stiftung – Argos Films
出演:ブルーノ・ガンツ、ソルヴェーグ・ドマルタン、オットー・ザンダー、クルト・ボウワ 、ピーター・フォーク
第40回カンヌ国際映画祭 監督賞受賞

天使ダミエルは、人々の心の声を聞き、彼らの苦悩に寄り添っている。ある日、孤独を抱えたサーカスの舞姫マリオンに出会い、彼女に恋をしたダミエルは、天界から人間の世界に降りることを決意する……。壁崩壊以前のベルリンを舞台に、天使の世界をモノクロ、人間の世界をカラーで表現した映像美と、後にノーベル賞作家となるペーター・ハントケによる詩的な脚本で紡がれる壮大な映像詩。