2月~6月の上映

連続上映『カール・テオドア・ドライヤー セレクション vol.2』

連続上映『カール・テオドア・ドライヤー セレクション vol.2』

◆恐ろしいほど美しい……7作品を月替わり連続上映

北欧デンマークが生んだ奇跡の映画作家ドライヤーは、北欧各国からドイツ、フランスとヨーロッパ各地で映画を作り続け、デンマーク映画の芸術性を世界水準にまで高めました。愛と信仰をテーマに、さまざまな生命の讃歌を描いた珠玉の7作品を、数ヶ月にわたる連続上映でじっくりと味わいながらお楽しみください。

CTD_vol.2

🎬2月の上映
奇跡』
 (1954) 126分
『裁かるゝジャンヌ』 (1928) 97分

🎬3月の上映
『ミカエル』 
(1924
) 95分
『怒りの日』 (1943) 97分

🎬4月の上映
『あるじ』 (1925) 107分
『裁かるゝジャンヌ』(1928) 97分

🎬5月の上映
『吸血鬼』Vampyr (1931) 74分
『ゲアトルーズ』Gertrud (1965) 118分

🎬6月の上映
to be announced…

配給:ザジフィルムズ
協力:シネマクガフィン、IVC
©2016 Friedrich-Wilhelm-Murnau-Stiftung
©1928 Gaumont
©Danish Film Institute

公式サイト

◆料金 Fee

一般:1,700円
大専:1,500円
小中高:1,000円

※ リピーター割引:半券提示で各200円引(同作品のリピートは500円引/連続上映期間中有効)


【限定数販売】特別観賞券

ポストカードセット付 特別観賞券[4回券 4,000円]➡完売しました。

※ 特別観賞券で4回鑑賞後は、5回目より特別観賞券の半券提示で通常料金のリピーター割引適用

◆作品紹介


『ミカエル』Mikaël

1924年/ドイツ/モノクロ/スタンダード/ステレオ/95分 © 2016 Friedrich-Wilhelm-Murnau-Stiftung
監督・脚本:カール・テオドア・ドライヤー 原作:ヘアマン・バング 撮影:カール・フロイント、、ルドルフ・マテ 
舞台美術:フーゴー・ヘーリング 出演:ベンヤミン・クリステンセン、ヴァルター・シュレザーク

著名な画家のクロード・ゾレは、画家志望の青年ミカエルを養子に迎え、二人で豪邸に住んでいた。パーティーで出会ったザミコフ侯爵夫人の肖像画を引き受けるゾレだったが、彼女はミカエルを誘惑し、ミカエルもその美貌に魅せられてしまい…。芸術家の孤独とミカエルへの愛、そして死を、耽美的に描いたサイレント時代の傑作。劇場での正式公開は今回が初となる。

 


『あるじ』Du skal ære din hustru

1925年/デンマーク/モノクロ/スタンダード/ステレオ/107分 © Danish Film Institute
監督・美術:カール・テオドア・ドライヤー 脚本:カール・テオドア・ドライヤー、スヴェン・リンドム 
原作:スヴェン・リンドム「暴君の失墜」 撮影:ゲオー・スネーフォート 出演:ヨハンネス・マイヤー、アストリズ・ホルム

フランセン家の主人ヴィクトルは、家の中で暴君のように振る舞い、家事や育児で働きづめの妻イダに対して不平不満ばかり。そんなヴィクトルの態度を見かねた手伝いのマッス婆さんは、イダを実家に帰らせることに。妻のいない家に戻ったヴィクトルは…。母国デンマークで撮ったユーモアとリアリズムが融合したホームドラマ。フランスなど世界で大ヒットとなった。

 


裁かるゝジャンヌLa Passion de Jeanne d’Arc

1928年/フランス/モノクロ/スタンダード/ステレオ/97分 © 1928 Gaumont
監督・脚本・編集:カール・テオドア・ドライヤー 
歴史考証:ピエール・シャンピオン 撮影:ルドルフ・マテ 出演:ルネ・ファルコネッティ、アントナン・アルトー、ウジェーヌ・シルヴァ、ニコラ・ロワズルール

百年戦争で祖国オルレアンの地を解放に導いたジャンヌ・ダルクは、敵国イングランドに連れてこられ異端審問を受けることになる。足枷を付けさせられ裁判所の大広間に入り、ずらりと一堂に会した司教たちからのきつい尋問が始まる。ジャンヌは心身ともに衰弱し、拷問室でさらに厳しい強迫を受け気絶してしまう。衰弱とともに死への恐怖から一時は屈しそうになるが、神への信仰を思い出し、自ら火刑に処される道を選び処刑台へと歩いていく。実際の裁判の記録である古文書をもとに、クロース・アップを大胆に多用し“人間”ジャンヌ・ダルクを活写、ドライヤーの名を世界に知らしめ後世に語り継がれる無声映画の金字塔的作品。

 


吸血鬼Vampyr

1931年/フランス=ドイツ/モノクロ/スタンダード/ドイツ語/ステレオ/74分 © Danish Film Institute
監督:カール・テオドア・ドライヤー 脚本:カール・テオドア・ドライヤー、クリステン・ユル 撮影:ルドルフ・マテ 
音楽:ヴォルフガング・ツェラー 出演:ジュリアン・ウェスト(ニコラ・ドゥ・グンツブルグ)、モーリス・シュッツ

悪魔や吸血鬼の研究に没頭する青年アラン・グレイ。パリ郊外の村を訪れた彼は、奇妙な老人から託された小包に導かれるように、とある古城にたどり着く。そこで老人が殺されるのを目撃し…。そぎ落とされた台詞、数々の撮影トリック、そして緻密に重ねられた音響が、緊張感のある恐怖を作り出す。これは幻なのか、現実なのか。映画史上屈指の美しい悪夢体験を。 

 


怒りの日Vredens dag

1943年/デンマーク/モノクロ/スタンダード/デンマーク語/モノラル/94分 © Danish Film Institute
監督・脚本:カール・テオドア・ドライヤー 
原作:ハンス・ヴィアス=イェンセン 撮影:カール・アンダソン 時代考証:カイ・ウルダル 出演:リスベト・モーヴィン、トーキル・ローセ
※ 1974年ヴェネチア国際映画祭 審査員特別表彰

中世ノルウェーの村に、牧師アプサロンと若き後妻アンネの夫婦が平穏に暮らしていた。一方で、同じ村にいた老女ヘアロフス・マーテが魔女とされ火刑に処されることに。彼女は牧師アプサロンの弱みを握っていた…。ある日、アプサロンの前妻との一人息子マーチンが神学の勉強を終えて帰郷する。アンネはたちまちマーチンに惹かれ二人は親密な関係に。そんな折、アンネが発した言葉にショックを受けたアプサロンが急死してしまい、アンネが魔女として死に至らしめたと告発を受けてしまう…。陰影を巧みに使ったモノクロームの映像美で、魔女狩りが横行する時代の複雑に絡み合う関係性を映した衝撃作。

 


奇跡Ordet

1954年/デンマーク/モノクロ/スタンダード/デンマーク語/モノラル/126分 © Danish Film Institute
監督・脚本:カール・テオドア・ドライヤー 
原作:カイ・ムンク 撮影:ヘニング・ベンツセン 舞台美術:エーリック・オース 出演:ヘンリック・マルベア、エーミール・ハス・クリステンセン
1955年ヴェネチア国際映画祭 金獅子賞
※ 1956年ゴールデングローブ賞 最優秀外国語映画賞

20世紀前半のデンマーク・ユトランド半島に敬虔なクリスチャンのボーオン一家が、厳格な父親モーテンを筆頭に三人の息子、そして長男の家族と共に暮らしていた。長男ミッケルには妻インガーと子どもが2人おり、インガーは3人目を妊娠中だ。次男のヨハンネスは自らをキリストだと信じ、精神的に不安定な状態が長い。三男アナスは仕立て屋の娘に恋をしているが、父モーテンと対立する宗派の家のため父は良く思っていない。ある日、インガーが産気づくがお産は上手くいかず、子供を死産したのち自身の容態も悪化してしまい、帰らぬ人に。家族が悲しみに暮れるなか、次男ヨハンネスが失踪してしまう。しかしインガーの葬儀に、正気を取り戻した姿で突如現れるのであった…。演劇的目線で家族の葛藤と信仰の真髄を問うドライヤーの代表作であり傑作。

 


ゲアトルーズGertrud

1964年/デンマーク/モノクロ/ヴィスタ/デンマーク語/モノラル/118分 © Danish Film Institute
監督・脚本:カール・テオドア・ドライヤー 原作:ヤルマール・セーデルベルイ 
舞台美術:カイ・ラーシュ 衣装:ベーリット・ニュキェア 出演:ニーナ・ペンス・ロゼ、ベンツ・ローテ
1965年ヴェネチア国際映画祭 国際映画批評家連盟賞

著名な弁護士カニングの妻であるゲアトルーズは、夫との結婚生活に不満を抱いている。二人の間に愛はなく、ゲアトルーズは若き作曲家エアランと恋愛関係にある。ある日、彼女の元恋人であり著名な詩人ガブリエルが帰国し祝賀会が催されるが、ゲアトルーズは体調を悪くし席を立つ。その後、エアランの伴奏で歌唱するも卒倒してしまう。翌日エアランが自分を愛していないことを知り、彼との関係を断ち、夫のもとからも去るゲアトルーズ。愛を探し求め続けたゲアトルーズの姿を完璧な様式美の画面におさめ会話劇に徹したドライヤー遺作にして集大成的作品。