1月の上映(1/10(土)より)
『インランド・エンパイア 4K』デイヴィッド・リンチ監督追悼上映
デイヴィッド・リンチの一周忌を20年前の遺作で想う
これが遺作だったのか……長篇映画はたった10本だったのか……。伝説のテレビシリーズ『ツイン・ピークス』は、1991年4月のWOWOWの開局記念番組だったのか……。
1作ごとに新鮮な驚きをまとって映画ファンを惑わせた解けない謎の数々が、それぞれの時代をいま思い出させてくれる気がします。狂気か正気か、境界を超えた別世界か--新しい年が始まるときの一瞬の浮遊感の中で、揺るぎないリンチ・ワールドを追悼したいと思います。
配給:アンプラグド
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『インランド・エンパイア 4K』Inland Empire
( 2006年/アメリカ/カラー/180分/ビスタサイズ )
監督・脚本:デイヴィッド・リンチ
製作:メアリー・スウィーニー デイヴィッド・リンチ
出演:ローラ・ダーン、ジェレミー・アイアンズ、ジャスティン・セロー、ハリー・ディーン・スタントン、ウィリアム・H・メイシー、ジュリア・オーモンド、ローラ・ハリング、ナスターシャ・キンスキー、ナオミ・ワッツ
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2025年1月15日、78歳で生涯を閉じた映画監督デイヴィッド・リンチ。1976年のデビュー作『イレイザーヘッド』以降、“カルトの帝王”として、世界中の映画人と観客を魅了し続けた巨匠。長編映画はわずか10本。その最後を飾る2006年製作の『インランド・エンパイア』がリンチ自身の監修によって4Kリマスター化。
本作は、監督・脚本から撮影・音楽・編集に至るまでリンチ自らが手掛けた、最も濃密な一作。ローラ・ダーン演じる、映画への主演が決まった女優を主人公に、現実と映画の境界が次第に曖昧になっていく悪夢のような不条理劇を描く。その蟲惑的な難解さに満ちた内容に、本人が残した言葉はただ一つ――“about a woman in trouble”(トラブルに陥った女の話)。謎が謎を呼ぶ物語は、公開当時から賛否を巻き起こし、いまもなお伝説として語り継がれる。